2006年03月

2006年03月31日

スタジオジブリの好奇心『熱風』3月号 特集:スポーツに魅せられる。

スタジオジブリの小冊子『熱風』2006年3月号の特集は「スポーツに魅せられる。

特集の中で面白かったのは、株式会社サニーサイドアップ代表取締役社長の次原悦子氏の文章「才能を送り出すビジネスの喜びと厳しさ」。

同社はスポーツマネジメントを主要業務とする会社。サッカーの中田英寿選手や水泳の北島康介選手、陸上の為末大選手のマネジメントを担当していることで知られているようだ。
もともとPR会社であり、15年ほど前に初めてスポンサー契約代行業務を依頼されたことから始まり、日本におけるスポーツマネジメント事業をつくってきた会社。

選手のビジョンにあったマネジメントを実現すること、その中で選手のモチベーションを最大化するような仕掛けを織り込んでいくこと、選手が競技に専念できるようストレスをマネジメントすること。
そのために、選手を取り巻くビジネス環境を整える。チームや監督・フロントとの関係、会計や法務、栄養管理者、協会や連盟などとの関係、スポーツエージェント、用具などのバックアップをするメーカー、スポンサー企業、広告代理店、出版社やライター、そしてファン。これらを全て選手のために整えることが仕事なのだと言う。

スポーツマネジメントというビジネスをとても分かりやすく説明されており、素晴らしい文章だと思う。
そして、次の結びに強い共感を覚えた。こう思いながら、この仕事を大事にしているということが、もの凄く素敵なことだと思う。

いくらブランド力をつけたり、PR戦略を作り込んだり、協議に専念するサポートができても、彼らが一歩フィールドやトラックの向こうへ足を踏み出せば、私たちはもう何もできない。(略)マネジメントなんかでは立ち入ることができない残酷な領域がある現実を思い知らされ、そのときほど無力さを感じることはありません。

スポーツには、いくら他者が親身になってギリギリまで近づけても、選手本人が全幅の信頼を置いてくれても、最終的に絶対に乗り越えられない一線がある。その私たちが近づけない永遠に孤独な領域があるからこそ、それがスポーツなんです。


次に注目の特集文章は大リーガー大家友和選手の「ベースボールの魅力を伝えるために僕がしてきたこと」。
大家選手は、ビジネス視点を強く持った人だ。立命館大学経営学部サービスマネジメントインスティテュート専攻に企業経営やスポーツマネジメントを勉強しているとのこと。
また、特定非営利法人(NPO法人)Field of Dreams(FOD)の運営で「大家友和チャリティーツアー」を実施し、親のいない子供などをアメリカに招待している。
FODではOhka Tomokazu Baseball club(OBC)の運営を行っており、少年野球チーム「草津パンサーズ」を創設。さらに、滋賀県高島市に社会人クラブチーム「OBC高島」を発足。「スポーツタウン構想」(施設などのハードと、専門ドクターやトレーナーなどの人材といったソフトの両面が整備されたスポーツ環境)というビジョンを持って活動に取り組んでいるという。


3月号の特別寄稿は翻訳家・清水真砂子氏の「もうひとつの風を待つ。――「ゲド戦記」映画化にむけて」。
清水氏は今夏のジブリ映画「ゲド戦記」の翻訳者。
映画化にあたってのジブリとのやり取りが紹介されている。翻訳家としての立場を静かに守る潔さが、爽やかだ。


<参考>Sunny Side Upがマネジメントしている人たち(抜粋)

2006年03月30日

【書評】下流社会 新たな階層集団の出現2

【評価】あくまでも仮説のひとつとして読む


【概要】
「昭和4世代欲求比較調査」(2004年11月、調査対象800 ※有効回答数861から男女別世代別各100名を無作為抽出)、「女性階層化調査1次調査」(2005年5月、調査対象2000)、「女性階層化調査2次調査」(2005年6月、調査対象600)の3調査に基づいて書かれた本。

「中の中」という意識を持った中流層が減り、「上流」と「下流」に意識が分化する傾向にある。特に中から下に下降する人が多い。そこでこれを「下流社会」という造語で呼ぶ。「下流」はいわゆる「中の下」であって「下層」とは異なる。

これまでは、「中」に向けて商品を大量につくって売ることが求められてきた。だが、下流社会では、「上流」に物を売るノウハウが求められるようになってくる。

下流社会において階層格差の固定化を防ぐには、基本方針として所得の低い人ほど優遇される「機会悪平等」を掲げる必要がある。具体的には、「下駄履き入試」や「東大学費無料化」「上流のノブレス・オブリージュ」などを仕組み化すべきだ。


【コメント】
統計的調査を基礎にした本は、注意深く読むことが求められ、流し読みするのに適した本ではない。この種の本では著者を全面的に信頼することは危険であるからだ。

本書の中盤では、独自の調査結果による様々な見方を示している。世代、性別、収入などによって、性格、消費、食生活などはどのように異なるのか。どのセグメントが、どのようなライフスタイルを持っているのか、などなど。

マーケティングとして、どのような商品をどのような層をターゲットに売るべきか。著者のように仮説を立てて臨むことは大事だし、また統計的に十分なサンプル数を確保することが実務上は必ずしも正しいとは限らない。そして実務では、必ず打ち手に対して検証が存在する。結果が、仮説の正否を明らかにしてくれる。

しかし「社会論」となると話は別だ。カバーには「消費社会論」と書かれているが、確立した論には至っていないと思う。最後「おわりに」に書かれている「機械悪平等」の提言も、取って付けたようで訴えるものがあまりない。本書は、あくまでもマーケティング上の仮説の一つとして読むべきだろう。

また、写真とそれに付けられたキャプションが酷く意図的で、見るに堪えないと思ったことも記しておく。

2006年03月29日

【書評】上司は思いつきでものを言う2

【評価】タイトルだけ見れば十分


【概要】
著者は「窯変源氏物語」などを書いている作家。
本書を「あなたの創造性を高める本」でなく「停滞した日本のサラリーマン社会はなんとかならないのかよ?」を考察する本と言う。

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「よく考える」は、思考を集中させて考えること。だが、実はこれは相手が答えを知っている時に言われる。「よく考えてみィ」は「お前はバカか?」と同義だ。
これに対し「ちょっと考える」は、思考を拡散させて考える。思考が自由で、いろいろな考えが浮かんでくる。
「よく考える」と「ちょっと考える」は、そのこと言葉の表面とは正反対の内実を持っている。「よく」は問題を出す人の立場(メリット)を、「ちょっと」はそれを考える自分の立場(メリット)を考えるのだ。

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日本の会議は前提の最終確認で終わる。もし会議に「頭のいい人」が出席していれば「ちょっと要点を整理しましょう」となるが、いなければ前提の確認以後は会議は実質的に終わりで、「気楽な雑談」になる。ここに「思いつき」が飛び出すのだ。

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思いつきに対する最も具体的な対処法は、「あきれる」ことだ。論争にしてはいけない。

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日本の会社は、現場の声を聞いて大きくなった。最大の問題は、現場と会社の間に分裂が生じていることだ。これを放置してきたから日本社会はおかしくなった。


【コメント】
日経ビジネスのレビューに「一種の文化論」とあるが、アイデアを膨らませた妄想に近い随筆。確かに作家らしい着想は面白いかもしれないが、読者を延々と振り回して、その上開き直っている文章には、読んでいてストレスがたまる。

一応役に立ちそうな部分を上記「概要」にまとめはしたが、ここは筆者に従って「あきれる」ことにしたい。

2006年03月28日

(財)東京都中小企業振興公社 《中小企業診断士活用による支援強化事業》の登録受付開始!

3月22日の記事ファミリーマート店舗診断業務の開始について触れたが、続いて次のような案内があった。

財団法人東京都中小企業振興公社が専門家派遣事業に中小企業診断士を無料で同席させるものだ。「企業内・若手診断士」に訴えかけているところは注目に値する。

「中小企業者が、同席を希望した場合にのみ実施」ということなので、どれだけ実際の同席が発生するか分からない。また報酬なし(対価も無料)というところも個人的には残念だ。

しかし、新制度対応事業が着々と実施に移されていることは歓迎すべきことだろう。我々はまず、多くの中小企業者から同席を希望されるだけの評価を確立しなければならない。

●(財)東京都中小企業振興公社からのお知らせ
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■企業内・若手診断士必見!!
《中小企業診断士活用による支援強化事業》 中小企業診断士登録のご案内
中小企業診断士として、診断助言の経験を積みたい・・
企業内のため実務更新ポイントの取得が困難になった・・
ベテラン診断士の診断助言に立ち会いたい・・
(財)東京都中小企業振興公社に登録して、中小企業支援の実務を経験しませんか。(先着300人限定募集)
(財)東京都中小企業振興公社は、東京都の中小企業支援センターとして、さまざまな支援業務を行っております。
このたび専門家派遣事業において、公社に登録している専門家の診断助言の場に中小企業診断士の同席が可能となりました。

専門家派遣事業とは、中小企業からの課題解決の申込みに対して適切なコンサルタント等(ベテラン診断士など)を派遣する制度で、毎年100社以上の実績があります。企業内・若手の診断士の方には、専門家を補完する立場として、企業へ訪問し、診断助言に従事していただきます。

この事業に登録して、診断助言に従事した場合、事務手数料(5,000円/日)を負担していただきます。
報酬のお支払いはございません。あらかじめご了承ください。

〈お問合せ・お申込〉
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-9
(財)東京都中小企業振興公社
総合支援部 総合支援課 診断士登録担当
TEL03-3251-7881 FAX03-3251-7888
E-mail: sien@tokyo-kosha.or.jp
【URL】 http://www.tokyo-kosha.or.jp/

2006年03月27日

学生環境NPO「環境ロドリゲス」の活躍について

3月24日(金)の卒業式前夜祭WASEDA YOUTH23のお手伝いをしてくれたのが早稲田大学学生環境NPO「環境ロドリゲス」の学生さん達だ。

この環境ロドリゲスは、いわゆる環境問題に取組む活動をする学生サークルである。大学時代にゼミ(公共政策研究の縣ゼミ)の同級生が参加していた(彼の研究テーマは「環境税」だった)ので、私は以前から知ってはいたが、一般には紙リサイクル可能な弁当容器「ホッかる」を開発したことで知られている。
この「ホッかる」は、株式会社秀英(本社:大阪)と環境ロドリゲス早稲田大学生協の三者が共働開発したもので、二層構造の容器。使用後は、内側のフィルムは燃えるごみ、外側の紙容器はリサイクルに回すことができるという製品だ。

今回お手伝いをしてもらったきっかけは、稲門祭2005環境対策活動を行ってもらったことにある。その時の担当者を通じて、今回の縁となった。誠にありがたいことである。
(稲門祭での活動の報告は以下のPDFファイルを参照「環境ロドリゲス会報 2005.前期〜2005.12」)

「啓蒙」の次のステージを目指して欲しい

早稲田リンクスのホームページで幹事長が答えているように、「学生が解決しやすい、身近なものに関係する企画を立ち上げる」ことが多いそうだ。
だが、私は学生にはもう少し別の観点も持ってもらいたいと思っている。

例えば、2005年3月下旬で20万人近い人が「チーム・マイナス6%」に参加している。十分とは言えないかもしれないが、「啓蒙」のステージはかなり進んだのだ。次の課題として「理論と実践との結びつけ」と「経済性との両立」の2つを私は挙げたい。

理論と実践との結びつけ

「理論と実践との結びつけ」は、啓蒙の次のステージでは絶対に必要になってくる。

例えば、リサイクルする際に発生する環境負荷を考慮した時に、捨ててしまった方が実は環境にやさしいということがあるかもしれない。資源の希少性を優先した時に、温暖化や生物多様性に影響を与えているかもしれない。リサイクルが実は自己満足に過ぎなかった、ということさえあり得るのだ。

こうした課題に対して、LCA(ライフサイクルアセスメント)プロジェクトという国家プロジェクトが発足されたり、日本版エコファクター「JEPIX(Environmental Policy Priorities Index for Japan:環境政策優先度指数日本版)の実践・普及を目指す「JEPIXフォーラム」が発足されたりしている。
こうした学術成果を研究・勉強し、分かりやすい形に翻訳して、社会に働きかけていくこと。学生であることが最も生かせるテーマなのではないかと思うのである。

私が初めて「環境会計」に触れたのも大学生の時、宮崎修行先生の簿記の授業を受けた際だった。

経済性との両立 〜企業の現実と正面から向き合う〜

もう一つは、環境問題の本質、「経済性との両立」だ。特に企業の環境活動は経済性との兼ね合いという大きな課題をクリアしなければ進まない。そして企業部門が占める割合は極めて大きい。
環境イメージ戦略に有効性を見出せる企業は少ない。また環境税や排出権取引が直接的に課題になるのも大企業が中心だろう。どうしてももっと直接的な経済効果が求められるのだ。

社会との中間点にいる大学生たちには、是非その現実に飛び込んで、解を求めて苦しくても模索して欲しいと思う。


上記の2点は、「理論」と「実践」の両方で、現在よりも一歩先のステージに進むことの私なりの提案だ。
そんな話を肴にして、卒業式前夜祭終了後に早稲田の「志のぶ」で飲んだのである。

2006年03月26日

校友会主催「卒業式前夜祭」

3月24日(金)は、早稲田大学校友会が主催で今回初めて行われた「卒業式前夜祭」に参加した。校友会費の徴収方法が変更になり、これに対してまずは新校友に還元しようとする行事で、リーガロイヤルホテル東京でのパーティと大隈講堂でのライブが行われた。

今回は、WASEDA YOUTH23として招待を受け、YOUTH23のPRを兼ねてパーティに出席した。このYOUTH23は、東京23区若手OB・OGの交流団体で、昨年は学内広報誌の早稲田ウィークリーでも紹介された。

デーモン小暮パーティは参加人数が多く、2回に分けて行われた。
第1回には、校友会稲魂賞特別賞を受賞したラグビー部の清宮監督も訪れた。
2回ともデーモン小暮による「早稲田の栄光」と祝辞があり、大変な盛り上がりを見せた。

校友会の代表幹事に新たに就任された瀬下明あいおい損害保険株式会社会長にもご挨拶した。代表幹事は、中堅ビジネスパーソンに役に立つ交流ネットワークをつくって行きたいとお話になった。例えば、営業、人事、経理・財務…などの機能別に組織化すれば、これまでにないネットワークになるという構想だ。とても強く共感できたので、是非実現に向けていきたいと思った。

2006年03月25日

講演「ひとマネでない経営 〜〜他人のせいで倒れるのは嫌だ〜〜」

3月23日(木)は、東京中小企業家同友会品川支部の例会講演として興研株式会社 酒井眞一郎代表取締役会長の「ひとマネでない経営 〜〜他人のせいで倒れるのは嫌だ〜〜」(共催:品川区)を聞いた。
今回私は中小企業診断士稲門会の方の紹介で参加させて頂いた。当日は東京青年会議所品川地区委員長もいらしており、活発な交流が見られた。

4879320250興研株式会社は、ジャスダック上場の防塵・防毒マスクのトップメーカー。従業員数は200名強だが、トップのユニークな経営手法と独特の人事制度で知られているようだ。

この経営理念・手法と人事システムについては、「ひとマネでない経営―NYテロ後、世界の耳目を集めた「安全」の興研」という本に詳しい。この本は『財界』編集部の編集になるが、内容は酒井会長が話し、書いたもので、とても説得力がある。私は感動した。

当日のお話を以下に簡単に紹介する。

値引きと接待は営業の敵

ユーザーに求められて行うのが値引き。自らの努力で自ら行うのが値下げ。値引きと接待は行わない。市場価値のあるものを提供していれば倒産することはない。
大企業からの値引き要請にも応えない。なぜなら先んじてコストダウンを行って、値下げを行ってきたからだ。
興研は代理店を通じての販売をしている。ユーザーの圧力が強いときに価格を下げても、代理店にマージンは残らない。きちんとコストダウンして、圧力がない時に値下げを実施すれば、代理店との共存が可能になる。嵐が過ぎ、デフレが底をつき、石油価格が上昇し、ライバルが値上げを申し出たタイミングで値下げを発表した(2005年11月)。

ユーザーニーズに応えるな

取引には2種類ある。「対等取引」と「御用達取引」だ。
御用達取引には、買う側が上位という上下関係ができる。ユーザーニーズを追求すると特注品になりやすい。そして必ずしも最良の品質・価格のものにならない。それでもニーズに応える考え方もあるが、メーカーの良心をとってきた。
対等取引は、ユーザーが自分で気が付いていないものを提案できて初めてできる。これができて初めて「市場」が相手となる。市場は、本当に価値がないと誰も見向きもしてくれない厳しい場所。だから営業には「ユーザーニーズではなく、ヒラメキ情報を蒐集する」というテーマを与えている。

工場は「テクノヤード」と呼ぶ

興研では「工場」とは言わず「テクノヤード」と呼んでいる。1986年に中国の工場を視察し、中国では絶対できない工場をつくらなければ閉鎖の憂き目に合うという危機感を持った。
「プロセスイノベーション」「プロダクトイノベーション」「マネジメントイノベーション」が自らできる生産・技術開発・製品開発拠点が「テクノヤード」。
企業にはイノベーションが必要だ。しかし言っているだけでは事業はそのようには進んでいかない。そのために人事システムを構築した。従業員を信頼して、潰れない会社になるために、様々な準備を進めてきた。

HOPES(三軸同時評価システム)

HOPES(High-ideal Open-minded Personnel Affairs by various Evaluation System)は、会社の繁栄と社員の幸福とを両立させることを目指しているトータル人事システム。
人間の尊厳、つまり人間にしかできないことを実現することが基本的な考え方。イメージを膨らます「イマジネーション」、創造する「クリエーション」、そしてこれを連続してやり続ける「イノベーション」を実現させるためにある。
管理能力は「管理職制度」で、実績は「資格制度」で、そして専門能力・知識を「マイスター制度」でそれぞれ評価する。そして、それを平均したりせず、報酬に反映させる。

おわりに

最後に「イメージ」を持ってもらうためにということで、会社紹介のビデオを見せて頂き、結びの言葉があった。
松下幸之助は「水道哲学」を説いたが、大量生産・大量消費の時代のことに思われる。時代によって変わる部分がある。しかし、人間心理は不変のテーマ、経営者の仕事である。
「ヘソ曲がりの経営」「非常識な経営」と言われることも多いが、自分としては当たり前のことを考え抜き、やってきたと思っている。


素晴らしい講演だった。
皆様にも是非「ひとマネでない経営―NYテロ後、世界の耳目を集めた「安全」の興研」(『財界』編集部 編)をお読み頂きたいと思う。

当日の模様は、東京中小企業家同友会品川支部の広報ブログにも掲載されているので参照されたい。
⇒「興研の酒井会長講演会「ひとマネでない経営」が昨日開催されました

2006年03月24日

早稲田大学校友会東京都23区支部大会/田原 総一朗氏講演会

2月11日の記事で紹介した早稲田大学校友会東京都23区支部大会が3月22日に開催された。今回私は品川稲門会の一員として参加した。

大隈講堂内部まず第1部は「エクステンション講演会」として、田原 総一朗氏の「日本の外交と経済」という講演を聞いた。
少し長くなるが、話の内容はおよそ以下のようなものだった。
いま政治がつまらないのは、民主党がだらしないからだ。
理由の一つは、自由主義経済を前提としており本音を言えば自民党と変わらないから。
もう一つは、何かを言うと党の中で足を引っ張られるからだ。メール問題で永田議員が辞職しない状況に対して、鳩山幹事長、前原代表とも、何も言わず、責任を取らなかった。

しかし、このメール問題は実は自民党にも影響している。
話はポスト小泉のことである。安部官房長官に対して、福田元官房長官が急速に追い上げているのである。
前原代表が民主党を率いる際のキーワードが「世代交代」だった。安部官房長官はこの流れに乗っていた。だが、今回の騒動で、「世代交代」が危ないのではないか、という動きが出ている。
さらに、財界からは中国問題を重視するためには、安部氏よりも福田氏という声が強くなっている。

中国というのは非常に複雑な国で、先般も中川政調会長と二階経済産業大臣の待遇に差をつけるという行動に出た。これには、中国の国内問題が絡んでいると見ている。
胡主席は軍を掌握していないので力が弱い。本当は日本と仲良くしたいのだが、内政上の都合で外に敵を作る必要がある状況なのだ。中国国内では、インターネットの普及により貧富の格差が認識されるようになった。これに対して各地で暴動が起きるようになっているのだ。このような内政状況で、アメリカを敵に回す訳に行かないので、日本を敵として強く出る必要があるのだ。
外交というものは、口と机の下が異なる、二枚腰・三枚腰が求められるものだ。

ところで、小泉首相が今一番やりたいことは、アメリカを公式訪問することだ。これまでは非公式訪問だったため、そろそろ最後のチャンスだ。
しかし、ブッシュ大統領は完全にレームダック化している。この状況で首相が訪米すれば、「牛肉を買え」「イラクから撤退するな」と言われてしまう。だから実現は非常に難しいのだ。
アメリカは、実は第二次産業が弱く、最大の輸出産業・目玉商品は牛肉なのだ。中間選挙を控えた今、人気取りのためには「牛肉」になる。
さらに、イラク戦争の大失敗がある。次の大統領選挙で民主党はヒラリー・クリントンが出てくるだろう。これに対して共和党はチェイニー副大統領がスキャンダルで難しくなった。しかし、強力な候補さえ立てることができれば共和党候補が勝つのではないか。泥沼化したイラク戦争にケリをつけられるのは、タカ派だというのが相場だ。

イラク戦争の失敗は、フセインをつぶしたことだ。フセイン(スンニ派)がいることで、イラン(シーア派)とのバランスが成立していた。それがフセインがいなくなったことで、イランが最強国になってしまった。アラブのバランスを崩してしまったのだ。イラクが失敗に終われば、アラブは全部駄目になってしまう。
この問題で稼ごうとしているのが中国とロシアだ。

経済という点では、先日東芝がウエスチングハウス(WH)を買収したというニュースがあった。
もともと原子力発電では、ゼネラル・エレクトリック(GE)陣営に日立と東芝がおり、WH陣営に三菱重工がいた。今回のWHの件も、本来であれば三菱が買うところだが、高すぎて買えなかった。そこで東芝が買ったのだ。
東芝は当然、原子力発電を中国で売りたい。しかし、現在の外交状況では売れないだろう。米国の特許で縛られている上に、中国は原子力をフランスから買っているからだ。

経済界が中国をどのように見ているか、経団連の会長人事から見る。
経団連の会長はこれまで、新日鉄・東京電力・トヨタなどが務めてきた。これに対してみればキヤノンは大した会社ではない。
しかし、御手洗氏の考え方に乗ってみようと、経済界のリーダーたちは考えたのだ。
御手洗氏は米国に20年いて、むしろ「日本的経営」を主張してきている。そして今、日本国内の大分に大工場を建設しようとしている。この背景には以下のような考え方がある。
まず第一に、マーケットとしての中国を狙う考え方だ。日本から素材・材料・部品を輸入して中国で組み立てる。部品は、日本国内でどんどん技術開発して、ブロック化して中国に輸出するのだ。だから、日本に工場を建設する。
そして第二は、10年後は日本で作った方が安いという考え方だ。製品に占める労務費の割合は1割以下に下がるはずだ。少子化の中で日本の産業を発展させるには、無人化を進め、ヘッドの部分を日本人が占め、ブルーカラーは外国人か下請けに任せる。
こうした考え方に日本が自信を持ったことが、今の景気回復につながっていると見ている。

実は、内容はさておき、非常に感心したことがある。それは田原氏が、聞き手を引き込む話し方の達人だということだ。
例えば、ここぞというときに小声になる。「理由は2つあります」と言って話し始める。聞き手の属性に合わせた(今回なら早稲田)話題の振り方をする。
テクニックとしてはよく言われることだが、ここまで上手く使いこなすと見事だ、と思った。非常に勉強になった。


その後、早稲田大学交響楽団の演奏を聞き、引き続き懇親会へ。
この頃天候が崩れたが、懇親会にもとても多くの参加者があり盛会だった。

2006年03月23日

第55期王将戦は羽生王将が防衛

3月21日・22日に新潟県佐渡市で行われた将棋の第55期王将戦の七番勝負第7局、羽生善治王将対佐藤康光棋聖の対局は、同型矢倉の一戦を後手の羽生が制し、王将位を防衛した。

今回のシリーズは、佐藤棋聖の積極的な指し回しが目立ち、屈指の名勝負となった。
将棋界初の3連勝の後の4連勝の大逆転はならなかったが、3連敗後の3連勝というだけでも1978年の中原−米長の十段戦以来のことだという。

英国のmi-sanも注目していたようで、紹介も先を越されてしまった…。しかし、今はネット中継もあり、将棋ファンはインターネット時代のメリットを享受している。

さて、この防衛で羽生三冠がリズムを取り戻すことができたかどうか。
休む間もなく4月4日からは朝日オープン将棋選手権の五番勝負が始まる。こちらで羽生朝日に挑戦するのは藤井九段。番勝負への登場も久々のようだが、元竜王の実力を見せてくれれば、新年度早々面白い将棋が見られそうで楽しみだ。

出版執筆研究会が城南支会の公認研究会化

3月18日(土)は出版執筆研究会。
昨年の8月から活動してきたこの研究会だが、今回から中小企業診断協会東京支部城南支会の公認研究会としての活動になる。
研究会の詳しい案内は、城南支会の研究会新設のお知らせページに記載されている。
以下にも引用して紹介する。

研究会新設のお知らせ

投稿者: hiroki_sagawa 投稿日時: 2006-2-6 15:25:02 (130 ヒット)
研究会名:出版執筆研究会
リーダー名:小田恭央
メンバー:他の支会の方も参加自由
連絡先:小田恭央
※出版執筆研究会は会員を募集しています。会費は年間5000円です。
開催場所:主として川崎市産業振興会館(JR川崎駅徒歩5分)
開催日時:毎月第3土曜日 10:00 - 12:00
研究内容:出版支援
研究目的:
「本を出そう!!」というコンセプトの研究会です。
「企画書の書き方」および「本の書き方」「本の営業方法」を研究します。
また、企画書ができあがった段階で、出版社各社への企画の送付を行います。
出版社への企画送付は、研究会が代行して行います。
共同執筆プロジェクトも定期的に立ち上げるので、初めての方であっても本を出したという実績が作りやすいような仕組みになっています。
特に本を出したことのない人で、本を出してみたい方は是非ご参加ください。
小田恭央

今回私自身は所用で欠席したが、当日の模様はoratakiさんのブログにあるので、そちらを参照して頂けたら幸いである。
こんさーる日記[2006]ブログで執筆力を磨く

2006年03月22日

診断士新制度が動き出した! 実務従事事業「ファミリーマート店舗診断業務」

中小企業診断協会から、ファミリーマート店舗診断業務説明会の開催について 〜「実務従事事業」のご案内〜というリリースが出された。
診断士制度の改定を受けた協会事業が新しく始まる。ファミリーマートとの共同事業になるようだ。

今回の制度改定自体には、必ずしも賛成できない旨をこれまで書いてきたが、この事業については基本的には賛同できる。中小企業診断士という、一定の質を保証された人材を広く活用することが大きな利点になる事業であることと、土日を中心とした診断としていることが評価できるからだ。
但し、参加者が費用負担する点だけは同意できないが。

以下にリリース文を引用し、紹介する。

ファミリーマート店舗診断業務説明会の開催について
〜「実務従事事業」のご案内〜

2006年3月
社団法人 中小企業診断協会
ファミリーマート店舗診断プロジェクト

 このたびの中小企業診断士制度改正の趣旨を踏まえ、当協会では、より中小企業に満足していただく診断助言機会の提供と、中小企業診断士の資質を向上するための契機としてとらえ、昨年から中小企業に対する新たな経営診断機会創出策として「診断実務従事事業」の開発に取り組んでまいりました。
このたび、この「診断実務従事事業」のプロジェクトの一つとして、(株)ファミリーマート様のご協力のもと、(株)ファミリーマート様の店舗を診断する機会を提供いただくことになりました。
 当協会では、実務に従事する機会が少ない会員の方に、現場での店舗診断を行っていただくことにより、中小企業である各店舗の経営改善に役立つとともに、会員の皆様の資質の向上を図りたいと考えています。
つきましては、ファミリーマート店舗診断業務説明会を下記の通り開催いたします。多数の会員の参加をお待ちいたしております。今回は関東近郊ですが、将来には全国に拡大する予定です。全国各地からの参加もお願いいたします。
 なお、この事業は研修ではなく診断実務であることを十分認識し、診断先の満足を得るため、真剣に誠意を持って取り組んでいただける会員の参加を望みます。


1.説明会の実施
(1)日時:2006年4月12日(水)・13日(木)18:30〜20:30(両日とも)

(2)会場:東京都中小企業会館9階講堂(東京都中央区銀座2-10-18)

(3)説明会の内容:実務従事日程(土日型中心)、店舗診断の内容(マニュアルの内容)、参加要件等

(4)説明会の会費:無料(定員になり次第締め切ります。100人/日)

(5)説明会の参加申込み:2006年4月7日(金)までに別紙1によりFAXにてお申し込みください。
   FAX 03−3567−5927
   TEL 03−3563−0851
     お問い合わせは、協会本部「ファミリーマート店舗診断プロジェクト」まで

   別紙1・2のダウンロードはこちらから → 説明会申込用紙(ワードファイル 58KB)


(6)その他
a.説明会当日、別紙2に必要事項を記入して、必ずお持ちください。

b.説明会に参加されても、申し込みが多数の場合等は「ファミリーマート店舗診断実務従事」にご参加いただけない場合があることを予めご了承ください。

c.説明会に参加された方が優先的に「ファミリーマート店舗診断実務従事」にご参加いただけます。

d.2006年5月7日(日)に東京都で開催する「ファミリーマート店舗診断実務従事」実施ガイダンスに出席していただくことが条件となりますのでご注意ください。


2.予定しているファミリーマート店舗診断実務従事の概要
(1) 診断実務の内容:店舗診断・SWOT分析
(2) 参加料:有料
(3) 対象地域:関東近郊
(4) 対象店舗数:約700店舗
(5) 実施時期:2006年5月(別途10月にも実施する予定)
(6) 日程:6日間を予定しています。

以上

何が行われるのか明らかでなかった新制度対応協会事業の具体的な形が表れてきた。
これから注視していきたいし、また自分たちでもつくっていきたいと思っている。

2006年03月21日

[MRC研究会]プロサラリーマンとは?/労働災害について

3月19日(日)は、定例の中小企業診断士の勉強会「MRC研究会」。
今回のテーマは以下の2本。
  1. 参加型セッション「これからはプロサラリーマンの時代だ!」
  2. 労働災害が起こったら
2本目のテーマは、労災事例の紹介と関連法規の勉強。
今回特に面白かったのが1本目の企画。

最近、プロフェッショナルに注目が集まっている。NHKの人気番組「プロジェクトX」の後継も「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組だ。また私の本棚にも以下のような本が並んでいる。こうした状況が今回の企画の背景とのこと。
プロフェッショナルマネジャー(ハロルド・ジェニーン)
ザ・プロフェッショナル(大前 研一)
プロ論。(B-ing編集部)
プロ論。2(B-ing編集部)
「プロ経営者」の条件(折口 雅博)

今回の企画は、まずアントレプロワーカーバンクインディペンデント・コントラクター協会を紹介し、プロフェッショナルに注目が集まっている状況を解説。また、私の知らない本が2冊紹介された。




次いで、各人がプロと思う人などを3人挙げて発表。私は、「イチロー」「羽生善治」「富士山」を挙げた。「鈴木敏夫」も捨てがたかったが、4月6日に「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場するのでパス。

この後、2グループに分かれてのグループワーク。「プロフェッショナルの10か条」を考えた。私のグループでは、せっかく各人が挙げた3人から要件を抽出し、それを「ビジネス」という観点でスクリーニングしながら分類し、まとめるというアプローチを取った。
興味深いワークになったが、今日のコーディネーターが別のところに発表するのに活用されるようだ。


第二部の飲み会の席で、次回研究会発表の打ち合わせ。
発表の骨子をすり合わせ、後はメールでやり取りすることにした。
もう一人とのコラボレーションという初の試みになるので、自分でも楽しみにしている。


<参考情報> 第二部の会場
居食屋「和民」(神田西口駅前店)
TEL:03-5289-8120
東京都千代田区内神田3-12-10
運営会社:ワタミ株式会社

WBCで日本優勝!

何百万もの人が同じことを書いているのだろうが、書かずにはいられないので…。

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での日本代表チームの優勝!
素晴らしいパフォーマンスだった。

素晴らしいプレー、そしてダイジェストで見るだけでは分からない試合の流れや緊張感。できることならば現場で見たいと思うくらいのゲーム。

スポーツが人に力を与えること、そしてスポーツを応援することの最高の楽しさを思い出させてくれた。
ありがとう。

2006年03月20日

秋葉原の新ビル「秋葉原UDX」のレストラン街「AKIBA_ICHI(アキバ・イチ)」

「ファシリテーション」セミナーの懇親会

3月18日(土)の3部合同「ファシリテーション」セミナーの後は、まずは公式の懇親会。会場の財団法人東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎の入っている同じ東京都産業労働局秋葉原庁舎内の浜町亭。中小企業診断士は比較的よく利用するお店だろう。
#ちなみに当日1階ではコスプレイベントが開催されていた模様。流石秋葉原。

懇親会(第二部)の参加者は20名程度。本音の感想も含め、率直に懇談。最後は若手代表として締めを務めることになった。とにかく今回のセミナー運営に当たられた皆様、お疲れ様でした。

秋葉原クロスフィールド/秋葉原UDX

さて、その後秋葉原の新ビル「秋葉原UDX」へ。
セミナーの会場で、フリーペーパー「akibatica」が配付されていた。ソフマップの関連会社、株式会社デジコミの編集・発行。その中で、秋葉原UDXの飲食テナントエリア「AKIBA_ICHI(アキバ・イチ)」が詳細特集されていたのだ。

ここでまず、JR秋葉原駅前の再開発、秋葉原プロジェクトを紹介する。
1月に完成した秋葉原ダイビルと今回3月9日にグランドオープンを迎えた秋葉原UDXの2棟で「秋葉原クロスフィールド」を構成する。
この内、秋葉原UDXの施設コンセプトは、アキハバラ・カルチュラル・ジェネレーター<文化的発電装置>。秋葉原ダイビルが産学連携の中核施設という位置付けであるのに対して、秋葉原UDXは文化情報の発信・集客機能を担うとされている。

文化情報発信という意味では、東京アニメセンター、イベントスペース「AKIBA_SQUARE」、デザインミュージアム秋葉原慶應義塾大学SFC研究所「デザイン・ミュージアム・ファクトリー」コンソーシアム)、先端ナレッジフィールド(株式会社新産業文化創出研究所)などが低層階に陣取る。なお一方で上層階にはオフィスフロアがある。
集客面では、やはりレストラン街「AKIBA_ICHI(アキバ・イチ)」が大きいだろう。決して重くない飲食店が、約30店ほど集積している。

三次会 〜Caffe e Bar Asyl〜

勝手三次会として今回ご一緒したのは、診断士仲間のさくらさんと、今回初めてお会いした禰宜の方。
行ったお店は、Caffe e Bar Asyl(カフェ エ バール アジール)。夜は立ち飲みスタイルのスペインバル(Spain Bar)。
<参考>アキバの新名所「AKIBA-ICHI」の飲食店全30店舗一挙紹介!

セミナーの振り返りも含めて盛り上がって、楽しい夜になった。



<参考情報>
・懇親会(第二部)

・勝手三次会

2006年03月19日

3部(会員部、研修部、研究会部)合同「ファシリテーション」セミナー

3月18日(土)は、中小企業診断協会東京支部中央支会3部合同セミナーに行ってきた。テーマは「診断士のためのファシリテーション入門」。

ファシリテーションの入門的内容については既にある程度の知識がある。今回の私の関心は、「研修運営」と「ファシリテーションの実践」にあった。

前者の「研修運営」について関心を持った理由は、次の2点による。第一は、自らが「ファシリテーション勉強会」を企画・運営したことがあり、その際に研修運営について多くの学びがあったこと。第二は、中央支会青年部で「週末起業セミナー」を開催した際に、3部合同セミナーとのテーマ重複を避けるようにするなど、このセミナーが運営面で意識した「競合相手」だったことだ。

後者の「ファシリテーションの実践」は、基本的な勉強をしたら次は実践、という自然の流れである。但し、普段の仕事で自分がファシリテーター的役割を果たしていることが多いので、「他者の実践に学ぶ」ことが今回の関心事だった。


研修運営について

今回のセミナーは時間が3時間半と短く、基礎知識のない人がいることを前提にして実践まで行うためには多大な工夫が必要だったと思う。
結果としては、やはり消化不良の印象が残った。1日がかりで学ぶべき内容を、単純に時間を詰めて行うのでは、どうしても無理が生ずる。何を取って、何を捨てるのかを考えることが、研修企画。

また、受講者の知識的な基礎や感情面での特徴を踏まえて、研修のやり方を考えることも必要だったと思う。
基本的な武器も与えないまま実践に向かわせても意味がない。ましてや診断士は、グループワークだけは何度もやっているので、その過去をブレイクスルーする体験を与えなければ、満足は得られない。
さらに、話し方のスタイルにも配慮が必要だったろう。相手によって働き掛けのスタイルは変えていく必要がある。「決め付け」「高圧的」というスタイルが適合する相手もあるだろうが、「投げ掛け」「尊重」というスタイルの方が診断士という集団には有効だったのではないだろうか。


ファシリテーションの実践について

実践の部分については、若いメンバーが主体的にファシリテーターと書記の役割を買って出られたので、参考になった。
私自身は、いかにメンバーとしてファシリテーターに協力するか、という観点で取り組んだ。押し付けてもいけないし、ファシリテーターが混乱しているときに余計な情報を与えすぎて混乱を助長させてもいけない。
このサポートスキルを身に付けることが、私が次のステップに進むためには必要だと思っている。研修運営上すでに避けられないことだったろうが、講師陣は3グループを同時に見ていたので、タイミングの適切でない介入も少なくなかった。
今回、終了後の懇談で私のこの振る舞いについて好意的なフィードバックを頂けたので、ある程度適切な行動ができたのだと思う。今後も、このスキルを追及していきたい。


セミナーの内容を生かすも殺すも受ける側の行動次第。
その意味では今回の学びと出会いは大きな価値があった。

2006年03月18日

約半年間携わっていた仕事が終了 〜次の仕事に向かう〜

昨日3月17日(金)で、約半年間携わっていた仕事が一区切りになった。
仕事の内容は当然書けないのだが、今回は私にとっても過去にない良い経験ができた。
しかしまだまだ後を押し続けていかなければ、本当の成果には結びつかない。真の協同作業が求められるのはまだまだこれからだ。

来週からしばらくは、新入社員を迎える準備や、ノウハウの整理、営業活動などに充てることになる。次の仕事までの期間が短いので、また忙しい日々になりそうだ。

この仕事終了を受けて、少し遡って更新をしていこうと思っています。

2006年03月17日

森内名人への挑戦権は谷川九段が獲得

昨日3月16日から翌17日未明にかけて行われた、将棋の第64期A級順位戦プレーオフ。羽生善治三冠森内名人棋王位を奪取され四冠から後退)と谷川浩司九段の対戦は、激戦の結果、谷川九段が勝ち、森内名人への挑戦権を手にした。

今日帰宅してから、録画しておいた解説番組を見たが、予想以上の熱戦で驚いた。羽生ファンの私としては、最近の調子も心配だし、結果も残念だったが、この将棋が面白かったことには満足。

4月11日から始まる森内名人対谷川九段の7番勝負を楽しみにしたい。続きを読む

2006年03月13日

Mikuni's cafe marunouchi 〜ミクニズカフェマルノウチ〜

3月12日(日)は、Mikuni's cafe marunouchiでランチ。
先月の同じ日に披露宴をあげた同僚の結婚を、改めてお祝いするパーティ。

朝から銀座にお祝いの品を買い物に行き、花束とメッセージカードを用意し、お茶をしながら書く。お茶はサロンドニナス

パーティのコースは、食前酒に桜シャンパン、前菜は桜鯛のカルパッチョ、魚料理は桜鱒のポワレ、肉料理は牛ほほ肉の赤ワイン煮、そしてデザート&コーヒー。春らしさを感じさせるメニュー。ゆっくり楽しんだ。

その後はまた銀座でホワイトデーの買い物。そして久し振りに会った同期たちと夜までお茶。
休日らしい休日を過ごした。


<参考情報>
続きを読む

2006年03月11日

【書評】経営の大局をつかむ会計3

【評価】ビジネスパーソンが学ぶべき会計がここにある


【概要】
これまでの会計の本は以下の2つに大別される。
一つは、「会計の専門家が書いた本」で、技術的な説明は優れているが、会計のプロ向けであってビジネスでの使い方が説かれていない。もう一つが、「経営者の書いた会計の本」であり、会計の本質的な使い方が説かれているが、技術的な説明が不足しており財務諸表などがあまり出てこない。
本書はこの2種類の会計の本の間の溝を埋める「会計のアマチュアであるビジネスパーソンのための本」として書かれている。

著者は経理マンになるのでもなければ、とにかく最初から財務諸表と格闘することが第一だと言う。そして以下のような使い方を説いている。
  • 金額の大小を反映させた図「比例縮尺版BSとPL」によってビジネスモデルを感覚的に把握する
  • 2期間の数字の変化から背景にある問題を把握し、打ち手を考える
  • 「儲け方」をデザインし、未来のPLとBS=ビジネスプランをつくる

【コメント】
ビジネスコンサルタントがどのように会計を使っているかを、よく表現した一冊と思う。
ビジネスパーソンに必要な会計は、経理学校で勉強するような会計とは異なる。そのことを簡単に表現した良書。

「比例縮尺版BSとPL」などは、知ったらすぐに実践できるだろう。ただ、2期間比較やビジネスプランについてはこの本を読んだだけですぐに実践に移せるかどうか。「練習問題」もついているが、この本の外で見本を見たり指導を受けたりしなければ身に付かないだろう。続きを読む

2006年03月08日

中小企業診断協会東京支部中央支会「ファシリテーション」セミナー開催

3月18日(土)に中小企業珍談協会東京支部中央支会の会員部、研修部、研究会部が合同で主催する「ファシリテーション」セミナーが開催される。以下に引用して紹介する。

3部(会員部、研修部、研究会部)合同「ファシリテーション」セミナー開催のお知らせ


診断士のためのファシリテーション入門=問題解決ワークショップ=


「参加型セミナー」をコンセプトとして開始した3部による合同セミナーですが、今年で3年目を迎えることとなりました。このセミナーの特徴は、講義だけでなく、その内容を実際に行い体感することにあります。


今回もその趣旨に基き、「ファシリテーション」を取り上げることと致しました。一度は聞いたことのある言葉だとは思いますが、きちんと整理し理解されていますでしょうか。関係者の知恵を引き出し効果的な結論を導き出すために、中小企業診断士として今後ぜひ身に付けたい手法と思われます。


これを機会に、「ファシリテーション」を実際に経験し、実践的な考え方・手法を体得して頂ければと思います。


日 時:3月18日(土) 13:15〜16:45(受付開始13:00)
※終了後、講師を囲んで懇親会を行います。

会 場:(財)東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎3階第2会議室
千代田区神田佐久間町1-9 tel:03(3251)7886
JR線・東京メトロ日比谷線 秋葉原駅から徒歩3分
http://www.tokyo-kosha.or.jp/kosha/office/akiba.html

テーマ:診断士のためのファシリテーション入門=問題解決ワークショップ=

内 容:ファシリテーションは会議を行う手法として開発されましたが、プロジェクトマネジメントのコアの技法として、1980年代中頃から重要性が認識されてきました。
ファシリテーションの対象として、現在以下の種類がありますが、今回は中小企業診断士のニーズに合わせ、1と3を中心に体験セミナーを行います。
  1. 会議ファシリテーション(基本ファシリテーション)
  2. 変革ファシリテーション(ビジネスファシリテーション)
  3. 協働ファシリテーション(プロジェクト、NGO活動等)
  4. 教育ファシリテーション(教育手法特に、ビジネススクールの教育技法)

講 師:岸本 光永氏
東京大学大学院経済学研究科修士課程修了
ソニー株式会社、コスモ証券株式会社、日本金融システム研究所、アーンスト&ヤングコンサルティングを経て、現在、ファイナンシャル・アナリスト、協同組合アンビ・コンサルティング・パートナーズ理事、大阪経済大学大学院教授

会 費:2000円 ※別途懇親会3000円程度

定 員:36名(先着順)

申込方法:メールにて以下を明記のうえ、お申込み下さい。中央支会以外の方もご参加いただけます。
1.登録番号、2.氏名、3.支会名、4.Eメールアドレス、5.懇親会参加の有無

申込先:佐藤 裕二(会員部) fwks5547@mb.infoweb.ne.jp

締切日:3月11日(土)

2006年03月06日

中小企業診断士実務補修メンバーとの交流会

3月3日(金)の夜は、中小企業診断士の実務補修のときに一緒だった仲間との交流会(という名の飲み会)だった。
仕事を終えてから合流したので、遅れての参加。

行った店は、銀座コリドー街NY Style Dining LOB 銀座店
実はコリドー街には初めて行ったのだが、使いやすそうな店が多く、行ってみてよかったと思った。

さて交流会は、前回が10月だったので、5ヶ月ぶりくらいだろうか。しかも私はそのとき欠席したので、本当に久し振りになる。

中小企業診断士も、登録から1年経ってくると、活動状況に個人差が出てくる。診断士同士の付き合いも、実務補修のときの話だけでなく、別のビジネスの話や、個人的な話がなければ下火になってしまう。貴重な出会いを活かしていくためには、常にお互いを刺激する新しいネタが必要だ。

今回は、メンバーのひとりから結婚の発表があり、その話で大いに盛り上がった。誠におめでとうございます。

次回までに、自分の中にどれだけ話せるだけの内容を仕込むことができるか。ひとつの勝負だ。


<参考情報>

2006年03月05日

品川縣麦酒の試飲

2月1日(萬寿野のしゃぶしゃぶ/品川県ビール)と27日(品川縣麦酒の発表会)の記事でも紹介した品川縣麦酒。
一足遅れだが、試飲してみた。
購入したのは株式会社平野屋堀江商店フードマーケット平野屋)。

品川縣麦酒これが品川縣麦酒だ。
ラベルに注意書きがある。これがなかなかふるっているのである。
●ビールは20歳になってから
●品川に来たらまずは一杯!

品川縣麦酒試飲注いでみて、色は結構濃い。
味は、甘味は薄い感じかと。
小瓶なので、乾杯の一杯にはとてもよいのではないでしょうか。

2006年03月04日

第64期A級順位戦最終局/名人挑戦はプレーオフに

3月3日(金)、翌日未明にかけては、将棋の第64期A級順位戦最終局。「将棋界の一番長い日」と言われる一日。

森内名人への挑戦権と、翌年A級への残留をかけての5局が行われた。NHK衛星第2放送でも生中継が入り、深夜の放送時間中に全対戦が終局を迎えた。

結果は、羽生善治四冠谷川浩司九段がともに勝利し、8勝1敗で並び、3月16日に挑戦権をかけてプレーオフが行われることになった。また、降級2枠をめぐる争いは、3勝6敗の下位から、森下卓九段鈴木大介八段がA級陥落となった。

NHKの中継で使用されていた星取表には、年齢が出ていた。64期のA級は、40代が谷川九段(43)のみ。その下が森下九段(39)。羽生世代が、羽生四冠(35)、佐藤棋聖(36)、丸山九段(35)、藤井九段(35)、郷田九段(34)。森内名人(35)も同世代だ。それより少し若いのが、三浦八段(32)、鈴木八段(31)、久保八段(30)で、20代は誰もいない。
大ベテランがいなく、羽生世代が割拠し、そこに八段勢が加わるという構成に、今更ながら「なるほどなぁ」と思った。

とにかく3月16日のプレーオフと3月17日のB級1組最終局を楽しみにしたい。

2006年03月02日

amazonのサーチボックスリンクをつけました。

ページの右上に、amazonのサーチボックスリンクをつけてみました。
調べてみると、私は過去半年で128件注文しているほどのamazonのヘビーユーザです。
思い立ったら自分のブログから飛べるという、自分のための改変ですが、もしよかったら使ってやってください。
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