2005年07月29日

【書評】ファシリテーション入門5

ファシリテーション入門
4532110262
堀 公俊
(日本経済新聞社 2004-07)
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【評価】
日経文庫の面目躍如 ファシリテーションの基礎的教科書


【概要】
「問題解決や合意形成を促進する技術」としてアメリカで生まれたファシリテーションを、著者は「集団による知的相互作用を促進する働き」としている。単に会議の運営方法にとどまらず、ファシリテーションを組織に働きかけるものとして捉えている。

本書は以下のような内容になっている。

(1)ファシリテーションの技術とは何か
ファシリテーションがもたらす効果として、ア)学習スピードの向上、イ)チームの相乗効果の発揮、ウ)メンバーの自律性の育成が挙げられている。

(2)ファシリテーションの活用分野
ビジネスでの問題解決、組織変革、まちづくり、教育など幅広い範囲に応用可能であることが示されている。

(3)ファシリテーターに求められる4つの技術
ア)場のデザインのスキル、イ)対人関係のスキル、ウ)構造化のスキル、エ)合意形成のスキル、の4つを基本スキルとして定義し、詳細に紹介している。

(4)実践のショートストーリー
ショートストーリーでファシリテーションの実践場面が紹介されている。

(5)章別のブックガイド
本書の章別に参考文献が挙げられている。


【コメント】
訓練されてない者でも一時間半ほどで読了することができる手軽なテキスト。ファシリテーションに関して、最も体系的かつコンパクトにまとまった良書と思う。まさに日経文庫の面目躍如、入門のため教科書としては最適ではないか。ファシリテーションの基本的な要素については十分なものが含まれている。

ただ、日経文庫の紙面の中では語り尽くせなかったり、説明不足になっているような点は、著者の他書「問題解決ファシリテーター」や「ファシリテーションの技術」を参照することが求められる。

特に便利なのが、巻末についているブックガイドで、これから学習を深めようとする者にとっては、非常に便利な参考文献一覧になると思う。

誰にでも薦めることのできる基本書である。
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1. ファシリテーション入門 (日経文庫)  [ hobo-sickboy- ]   2008年03月20日 09:28
ファシリテーション入門 (日経文庫)(2004/07)堀 公俊商品詳細を見る 最近ファシリテーションという単語に非常に魅力を感じている。様々な書籍で紮..
この記事へのコメント
1. Posted by sumy   2008年01月12日 20:10
たしかに基本書としては良かったと思います。ただし、私はひねくれ者なのでストレートに「うんうん」と納得することはできませんでした。
もう少し冗長でも構わないので、説得力のある書籍が私は欲しいです><
他にオススメな入門書などあれば教えてほしいです。
2. Posted by nao   2011年06月16日 14:44
ファシリテーションに興味にあるかた全員におすすめします。

私の職場の同僚が書いた本が今月出版されることになりました。
「プロジェクトを変える12の知恵
−ケンブリッジ式ファシリテーション−」
といいます。

ブッシー大統領さんに是非読んでいただきたいです。
おもしろいと思ったら、感想をUpしていただけると幸いです。

ご迷惑でなければ、送付先住所、宛名など教えていただけますでしょうか?
どうぞよろしくお願い致します。
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