2005年12月30日

【書評】質問力―話し上手はここがちがう2

【評価】「普通の人」を置き去りにする姿勢が残念

【概要】
本書の狙いは要約すると以下の通り。
上達するためにはよいものをたくさん見ることがいちばんの早道なので、質の高い対話の具体例を数多く取り上げる。これによりコミュニケーションのよしあしを判断する価値基準をつくってほしい。
「質問力」という力を認識できるようになると、自分の質問の実力を常にはかろうとするフィードバックが起こり、これが実力向上につながる。この回路を作ることが本書の目的だ。

著者は、コミュニケーションの秘訣は「沿いつつずらす」ことにつきると言う。だから本書でも「沿う技」と「ずらす技」を解説している。「沿う技」とは例えば、「うなずき」「あいづち」「言い換え」「引っぱってくる(引用)」「オウム返し」などだ。「ずらす技」は「整理する」「具体化する」「抽象化する」「自分の経験に絡ませる」などだ。
そして、多くの対談事例を取り上げ、ケーススタディとして質問・対話の構造を解説していく。
概略以上が本書の内容だ。


【コメント】
筆者はケーススタディの中で例えば「リプトンの深い洞察力の勝利である。普通の人にはなかなかできないハイレベルな質問だろう。」と主たる読者である「普通の人」を突き放してしまう。
すると読者は急に冷めてしまう。だから筆者が「自分はこんなハイレベルの対話のポイントが分かるんだ。凄いだろ。」と言っているように思えてくる。
読者に沿ってくれていないのだ。

ほかにも「質問が非常にハイレベルである。(略)知性がなければ、このような質問はできないだろう。」とか「すごい質問だ。普通の人がこんなことを言えるだろうか。」など、この姿勢が目につく。

プロローグにある「相手にお金を出させて、仕事を請け負うためには、対話の中で相手を納得させなければならない。ましてや建築の要に、建てるまでは現物を見せられないような物を作る場合、『コミュニケーション力(質問力)』の高さが生命線になるのである。」という一節は、コンサルタントとして非常に重要だと思ったし、内容にも非常に優れた技が凝縮されているとも思ったが、著者の姿勢が気になってこの本には終始共感を持つことができなかった。
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