2006年01月14日
常盤文克氏講演「モノづくりのこころと『コト』づくり」(中小企業診断協会東京支部中央支会新年賀詞交歓会)
1月14日(土)は中小企業診断協会東京支部中央支会の新年賀詞交歓会だった。
これから数回に分けてその内容を紹介したい。
新年賀詞交歓会のメイン講演は、「モノづくりのこころと『コト』づくり」。講師は、花王株式会社の前会長で、東京理科大学専門職大学院総合科学技術経営研究科総合科学技術経営専攻(MOT)客員教授、日本モノづくり学会会長の常盤文克氏。
一方需要側でも、選択的消費といって質でモノを選ぶ行動が一般化している。ちょっと手を伸ばせば手が届く贅沢の高級品志向がある。
需要側・供給側の両方で質が重視されている。
中小企業の生き方・価値観・仕事観には、これからの大企業の生き方のモデルが示されているように思われ、関心を持っている。
・長岡産業活性化協議会−Nagaoka Activation Zone of Energy (and Expert)、通称NAZE(ナゼ)
・インダストリーネットワーク株式会社
・北島絞製作所
・花王ではフロッピーディスクの事業を捨てた。そしてトナーインクなどの新しい仕事に力を振り向けた。
・花王はもともと「花王石鹸」だが、石鹸にとどまることをしなかった。今では石鹸の売上比率は非常に低い。
・株式会社岡重:京友禅を受け継いで150年。呉服・着物にとどまらず、鞄やショールにも拡大。古いものに潜んでいた新しさで世界に進出。
・京とうふ藤野株式会社:「町のとうふ屋」のイメージを一新するチャレンジ。「TOFU CAFE FUJINO」や豆腐料理専門店「京豆冨 不二乃」を展開。
企業としての主体性、「俺たちはこの道を行く」「こんなモノをつくったけどどうだっ!?
」ということが大事だ。
・花王の「エコナ」:食油マーケットは安売りの乱戦だった。エコナは、研究開発に10年15年かかっていて普通の倍くらいの価格だが買われている。
・花王のお茶「ヘルシア」:ゆっくりお茶の本質に取り組んだ。後発でもマーケットに入っていける。
・クラレの「ビニロン」:「亀の歩み」で先頭に(1月11日日本経済新聞1面)
自分たちの夢やロマンを表現する。そしてそれを実現する仕組み・仕掛け(プラットホーム)を上手につくる。そうすればその上に人が集まってくる。これが「コトづくり」だ。
・かつてのアポロ計画:「月に人を送る」というのは正にロマン。そしてNASAなどの仕組みを作ったからこそ、技術を超えて色々なものが集まった。
・トヨタのプリウス:車を超えて「コト」をつくった。コトは本物だと物凄い伝播力がある。
・株式会社樹研工業:「世界一小さい歯車」
中小企業は「コトづくり」が上手だ。ロマンだけでは駄目。皆が奮い立つには仕組みを作らないといけない。
企業のあらゆる努力はモノ・サービスに集まらないと駄目。企業の良し悪しはモノ・サービスが良いかどうかで決まる。
「質」には無限なものがある。10社あれば10の価値観・やり方・道がある。これからの企業はそういう「道」を競い合う。大きいとか小さいとかは評価軸にならない。どんな質をつくり出し、モノ・サービスとしてマーケットに提供できるかが唯一の評価軸だ。
これからは企業の質的存在感が問われる。
示唆に富み、よく構造化されている素晴らしい講演だった。
これから数回に分けてその内容を紹介したい。
新年賀詞交歓会のメイン講演は、「モノづくりのこころと『コト』づくり」。講師は、花王株式会社の前会長で、東京理科大学専門職大学院総合科学技術経営研究科総合科学技術経営専攻(MOT)客員教授、日本モノづくり学会会長の常盤文克氏。
導入
現在の景気にはバブル懸念がある。過剰な楽観論に走らず、この15年何を失い何を得たのか、自分たちを相対化して見ることが必要。質組と量組の二極化
企業は、新しい仕組み・技術で製品・サービスをつくり出す「質の企業」と、従来のまま売上を上げることにこだわる「量の企業」に分かれる。勝ち組みと負け組みという言葉は好かないが、質組と量組に分かれると思う。供給側では個性ある質の高いモノを提供する企業が伸びる。一方需要側でも、選択的消費といって質でモノを選ぶ行動が一般化している。ちょっと手を伸ばせば手が届く贅沢の高級品志向がある。
需要側・供給側の両方で質が重視されている。
質のつくり出し方
他と異なる独自の「自分たちの質」をつくり出すためにはいくつか大切な基本姿勢がある。- 異と交わる
中小企業の生き方・価値観・仕事観には、これからの大企業の生き方のモデルが示されているように思われ、関心を持っている。
・長岡産業活性化協議会−Nagaoka Activation Zone of Energy (and Expert)、通称NAZE(ナゼ)
・インダストリーネットワーク株式会社
・北島絞製作所
- 仕事を選ぶ
- 仕事を捨てる
・花王ではフロッピーディスクの事業を捨てた。そしてトナーインクなどの新しい仕事に力を振り向けた。
・花王はもともと「花王石鹸」だが、石鹸にとどまることをしなかった。今では石鹸の売上比率は非常に低い。
- 選んだ仕事に従来とは全く違ったアプローチで取り組む
・株式会社岡重:京友禅を受け継いで150年。呉服・着物にとどまらず、鞄やショールにも拡大。古いものに潜んでいた新しさで世界に進出。
・京とうふ藤野株式会社:「町のとうふ屋」のイメージを一新するチャレンジ。「TOFU CAFE FUJINO」や豆腐料理専門店「京豆冨 不二乃」を展開。
モノづくり
質は目に見えず、触ることができない。だから質は、商品・サービスとして具現化しないと伝わらない。「モノづくり」にはいくつかの基本スタンスがある。- プロダクトアウト
企業としての主体性、「俺たちはこの道を行く」「こんなモノをつくったけどどうだっ!?
」ということが大事だ。
- 開発競争を行わない
・花王の「エコナ」:食油マーケットは安売りの乱戦だった。エコナは、研究開発に10年15年かかっていて普通の倍くらいの価格だが買われている。
・花王のお茶「ヘルシア」:ゆっくりお茶の本質に取り組んだ。後発でもマーケットに入っていける。
・クラレの「ビニロン」:「亀の歩み」で先頭に(1月11日日本経済新聞1面)
コトづくり
モノづくりは多面体。技術、マーケティング、ブランド、生産コスト、調達、物流・・・。だから「コトづくり」が大切になる。自分たちの夢やロマンを表現する。そしてそれを実現する仕組み・仕掛け(プラットホーム)を上手につくる。そうすればその上に人が集まってくる。これが「コトづくり」だ。
・かつてのアポロ計画:「月に人を送る」というのは正にロマン。そしてNASAなどの仕組みを作ったからこそ、技術を超えて色々なものが集まった。
・トヨタのプリウス:車を超えて「コト」をつくった。コトは本物だと物凄い伝播力がある。
・株式会社樹研工業:「世界一小さい歯車」
中小企業は「コトづくり」が上手だ。ロマンだけでは駄目。皆が奮い立つには仕組みを作らないといけない。
まとめ
これからは「質」こそが大切だ。質はモノ・サービス・商品に具現化しないと伝わらない。企業のあらゆる努力はモノ・サービスに集まらないと駄目。企業の良し悪しはモノ・サービスが良いかどうかで決まる。
「質」には無限なものがある。10社あれば10の価値観・やり方・道がある。これからの企業はそういう「道」を競い合う。大きいとか小さいとかは評価軸にならない。どんな質をつくり出し、モノ・サービスとしてマーケットに提供できるかが唯一の評価軸だ。
これからは企業の質的存在感が問われる。
示唆に富み、よく構造化されている素晴らしい講演だった。
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by 松山 2006年09月07日 23:39
来る2006年9月16日(土)、私どもが現役時代に立ち上げましたNPO法人、日本モノづくり学会(常盤文克会長 / 済藤友明代表理事)主催で、第3回技術経営セミナーを開催いたします。
2. Posted by ブッシー大統領 2006年09月24日 14:57
お知らせをありがとうございました。
せっかくコメント頂いておりましたのに、業務多忙でレスができず失礼しました。
今後とも宜しくお願いします。
せっかくコメント頂いておりましたのに、業務多忙でレスができず失礼しました。
今後とも宜しくお願いします。
この記事にコメントする





