2006年01月21日

【書評】ホテル戦争―「外資VS老舗」業界再編の勢力地図3

【評価】ホテル戦争の登場人物の各ホテルを大まかに知るために


【概要】
2007年頃にかけて東京に外資系の最高級ブランドホテルが参入してくるホテル業界の2007年問題。これに対応しようとする老舗ホテルの改装投資などで「ホテル戦争」の様相を呈している。
本書は、特に19のホテルを取り上げてそれぞれの特徴や2007年に向けての戦略などを紹介し、「ホテル戦争」を解きほぐしていこうという試みだ。

著者は、これまでの競争と2007年ホテル戦争では、基本的な構造が異なるとしている。これまでの構造とは、過去の「御三家」と「新御三家」の戦いであり、これに外資系超高級ラグジュアリーホテルの「新々御三家」が加わるという考え方である。新世代が勝つか旧世代が勝つか、という見方だ。
これに対してホテル戦争の構造は、スタイリッシュな「スモール・ラグジュアリーホテル」、モダンな「グランドホテル」、クラシックな「老舗ホテル」という3つのカテゴリに分化し、その中でのトップホテルがそれぞれ勝者になるという見方だ。

名古屋、大阪、福岡などでの外資ホテルの進出と競争状況の変化なども紹介しながら2007年の東京での競争の主役のホテルを紹介していく。そして「ザ ペニンシュラ 東京」、「ザ・リッツ・カールトン東京」、「帝国ホテル」の3ホテルが勝者になるだろうとして結んでいる。


【コメント】
コンピュータの「2000年問題」、オフィスの供給過剰の「2003年問題」、団塊の世代の大量退職「2007年問題」と並んで称されるホテルの2007年問題。この問題の概略を知るには手ごろな本だ。逆に各ホテルの踏み込んだ戦略や実態を知ろうとするのであればこの本は適していないだろう。

上記の【概要】では極力整理して示したが、実は著者の主張の構造は分かりにくい。
例えば、最初にカテゴリ別の競争になるとしながら、最後の勝者予想では「グランドホテル」が含まれていない。2007年はエリア別競争でもあると言いながら、前半で示されたエリアの区割りと後半での区割りが対応していない、等々。
各ホテルの大まかな紹介本と割り切らないと、読んでいてストレスを溜めることになる。

最後の3ホテルの勝者予想についても、理由は明確に示されていない。
この本で利用するホテルを決めるのは適切でない。雑誌の特集や個別ホテルについて詳しく書かれた本で情報収集して、結局実際に行ってみたり評判を聞いたりすることが必要だ。
本書はそのために「どんなホテルがホテル戦争の当事者なのか」を知る目的で利用されればいいと思う。
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1. 『ホテル戦争』 「宿泊客」を軽く見た報い  [ ハムりんの読書日記 おすすめの本 ]   2006年04月08日 18:04
『ホテル戦争』  感想☆☆☆ 桐山秀樹 角川書店
2. 外資系ホテルの参入と福岡のホテル事情(国際経営/星野)  [ BBIQモーニングビジネススクール ]   2006年09月05日 18:11
■東京の2007年問題 東京では今,外資系高級ホテルの建設ラッシュが起きており, ホテルの供給過剰が心配されています。これを2007年問題と呼んでいます。 このように東京では外資系の高級ホテルがどんどん参入しようとしていますが, 一方福岡に...
3. ホテル関連情報集  [ ホテル関連情報集 ]   2007年04月02日 02:51
ホテル関連情報集です。
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