2006年01月26日

【書評】週末起業チュートリアル4

【評価】「おあずけ」人生は卒業して、今すぐやりたいことをやるべき


【概要】
著者は、自身の「週末起業」(ちくま新書)でサラリーマンの不況対策として週末起業の意義を説いた。しかし、実際には会社への不満が週末起業の動機になるケースが多いという。
本書で著者は週末起業を次のように位置付けている。会社に物心両面で依存していた「ぶら下がリーマン」は、「何を始めればいいか分からない」状態になってしまいがちだ。まずは会社との距離を取り、収入と気持ちの両面で会社から独立する「大人サラリーマン」を目指すのが「週末起業」である。

本書で語られているのは、「週末起業」の手順ではなく、「週末起業」に成功する人の行動特性である。特に、「金銭感覚」「時間管理」「人脈構築」の3つの観点で詳しく解説されている。
例えば、人脈構築では、「人脈とは一緒に仕事をしてつくるものだ」と説いている。出版社の編集者と名刺交換をしたら、企画書の一つでも送らなければその名刺は絶対に活きない。

著者には「情報起業」(フォレスト出版)という著作もあるが、本書では情報起業だけでは限界があると言う。「ネタ切れ」と「たいしたお金をいただけない」というのが弱点なのだ。これに対し「コンサルタント」は、仕事の中からネタを継続的に仕入れることができ、双方向性があるので付加価値が高まる、として週末起業家にコンサルタントを勧めている。
そして具体的な手順として、「肩書きを考え、名刺を作る」「商品を作る」「情報発信で顧客獲得」の3ステップを示している。


【コメント】
本書の特徴はまず、筆者自身の体験が強烈な思いを持って語られるところにあるだろう。転勤・海外勤務による家族崩壊の危機。これが筆者の原体験のようだ。私はこの体験談には非常に強く共感し、「週末起業」の意義を強く感じた。

本書の主眼である「金銭感覚」「時間管理」「人脈構築」については、他書にないという程の内容ではないが、非常に実際的で説得力があった。机に眠っている名刺が山ほどある人には突き刺さる指摘だろう。

前著「週末起業」では広げていた週末起業の業種もコンサルタントに絞り込まれ、「情報起業」の限界を乗り越えようとしている。著者自身が、著作を重ねるごとに少しずつ方法論を整理してきていることが分かる。この点に私は非常に好感を持った。

ちなみに著者の肩書きは、「米国進出支援コンサルタント」⇒「商店街コンサルタント」⇒「書店コンサルタント」⇒「ITコンサルタント」⇒「オンラインショップコンサルタント」⇒「創業コンサルタント」⇒「経営コンサルタント」と変化したそうだ。やってみて試行錯誤することが大事だということの証左のようにも思えた。
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この記事へのコメント
1. Posted by スリスリ   2006年01月29日 05:48
5 私は「学びを稼ぎに変える技術」という本を買い、週末起業をもう少し知ろうと考え、会員になりましたが、最近少し熱が冷めてきて週末でなくてもいいのではと思い始めています。また、稼ぐのがほんとにいいのかとも少し疑い始めました。
2. Posted by ブッシー大統領   2006年01月29日 23:04
スリスリさん、コメントありがとうございます。「学びを稼ぎに変える技術」はこれから読んでみようと思います。
おっしゃる通りで、週末でなく起業できれば、もちろんそれでいいのだと思います。
また起業の目的も、必ずしも金銭面だけの満足に限らないですよね。「社会起業家」というような言葉もありますし。
とにかくそんなことを一回自分の中で消化して、やりたいことや可能性を自分で認識することは、どんな時でも役に立つことだな、と思いました。
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