2006年03月31日

スタジオジブリの好奇心『熱風』3月号 特集:スポーツに魅せられる。

スタジオジブリの小冊子『熱風』2006年3月号の特集は「スポーツに魅せられる。

特集の中で面白かったのは、株式会社サニーサイドアップ代表取締役社長の次原悦子氏の文章「才能を送り出すビジネスの喜びと厳しさ」。

同社はスポーツマネジメントを主要業務とする会社。サッカーの中田英寿選手や水泳の北島康介選手、陸上の為末大選手のマネジメントを担当していることで知られているようだ。
もともとPR会社であり、15年ほど前に初めてスポンサー契約代行業務を依頼されたことから始まり、日本におけるスポーツマネジメント事業をつくってきた会社。

選手のビジョンにあったマネジメントを実現すること、その中で選手のモチベーションを最大化するような仕掛けを織り込んでいくこと、選手が競技に専念できるようストレスをマネジメントすること。
そのために、選手を取り巻くビジネス環境を整える。チームや監督・フロントとの関係、会計や法務、栄養管理者、協会や連盟などとの関係、スポーツエージェント、用具などのバックアップをするメーカー、スポンサー企業、広告代理店、出版社やライター、そしてファン。これらを全て選手のために整えることが仕事なのだと言う。

スポーツマネジメントというビジネスをとても分かりやすく説明されており、素晴らしい文章だと思う。
そして、次の結びに強い共感を覚えた。こう思いながら、この仕事を大事にしているということが、もの凄く素敵なことだと思う。

いくらブランド力をつけたり、PR戦略を作り込んだり、協議に専念するサポートができても、彼らが一歩フィールドやトラックの向こうへ足を踏み出せば、私たちはもう何もできない。(略)マネジメントなんかでは立ち入ることができない残酷な領域がある現実を思い知らされ、そのときほど無力さを感じることはありません。

スポーツには、いくら他者が親身になってギリギリまで近づけても、選手本人が全幅の信頼を置いてくれても、最終的に絶対に乗り越えられない一線がある。その私たちが近づけない永遠に孤独な領域があるからこそ、それがスポーツなんです。


次に注目の特集文章は大リーガー大家友和選手の「ベースボールの魅力を伝えるために僕がしてきたこと」。
大家選手は、ビジネス視点を強く持った人だ。立命館大学経営学部サービスマネジメントインスティテュート専攻に企業経営やスポーツマネジメントを勉強しているとのこと。
また、特定非営利法人(NPO法人)Field of Dreams(FOD)の運営で「大家友和チャリティーツアー」を実施し、親のいない子供などをアメリカに招待している。
FODではOhka Tomokazu Baseball club(OBC)の運営を行っており、少年野球チーム「草津パンサーズ」を創設。さらに、滋賀県高島市に社会人クラブチーム「OBC高島」を発足。「スポーツタウン構想」(施設などのハードと、専門ドクターやトレーナーなどの人材といったソフトの両面が整備されたスポーツ環境)というビジョンを持って活動に取り組んでいるという。


3月号の特別寄稿は翻訳家・清水真砂子氏の「もうひとつの風を待つ。――「ゲド戦記」映画化にむけて」。
清水氏は今夏のジブリ映画「ゲド戦記」の翻訳者。
映画化にあたってのジブリとのやり取りが紹介されている。翻訳家としての立場を静かに守る潔さが、爽やかだ。


<参考>Sunny Side Upがマネジメントしている人たち(抜粋)

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