2006年04月25日

日経情報ストラテジー6月号 特集2「現場力を鍛えるインターナルブランディング」

私が長期定期購読している数少ない雑誌の一つが「日経情報ストラテジー」。2006年6月号(通巻170号)の特集2は「現場力を鍛えるインターナルブランディング」だった。

事例として取り上げられている企業は、ブリヂストン日本たばこ産業KDDI大和ハウス工業アンリ・シャルパンティエ

もともとマーケティングでは、特にサービス業で、顧客との直接の接点を持つ従業員をコンタクト・パーソネル(CP:Contact Personnel)と呼び、このCPに働きかけることをインターナル・マーケティングと言って重視してきている。
他方で、企業が顧客に行うものをエクスターナル・マーケティング、顧客とCPの間で行われるものをインタラクティブ・マーケティングと呼んでいる。

インターナル・ブランディングは、これと同じような考え方だ。
全ての産業がサービス業的特徴を持つようになっている現在、社内向けのブランディング活動、つまりインターナル・ブランディングは、社外向けブランディング活動(エクスターナル・ブランディング)と同等かそれ以上の重要性を持つに至っている。

今回取り上げられている企業は皆、惨憺たる自社のブランドの状況に目をそむけることなく、正面から真正直に現状分析とブランディング活動に取り組み、成果を挙げている。


記事の中で「ミラー効果」というものがクローズアップされている。
これはブランドが世の中に認知されているという認識によって従業員の士気が高まることを言う。
JTのテレビCMには社員1500人が出演し、ミラー効果が大きかったそうだ。

最近以下のような本をよく目にする。
いずれもビジネスやサービスに関心が高く、相応の購買力を持った層へのマーケティング手段として機能している書籍だ。
だが、これらの出版効果として大きな「ミラー効果」もあったに違いない。そこで働く従業員たちにとって、大きな誇りであり、基準になったことだろう。
リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間
帝国ホテル 伝統のおもてなし
I am a man.―チームワークと顧客第一主義がポイント!奇跡のレストラン「カシータ」の作り方
ディズニーが教える お客様を感動させる最高の方法

ブランディングというものが、外向けだけでなく内向きの視点も備え、ビジネス書という形のメディアまでも利用するまでに進化してきている。
私はかつて「なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?」(原題はA New Brand World)という本を読んだ時、「拡張されたブランド論は、企業戦略及び戦術全体と同義になる」と感じだのだが、まさにそのような状況が起きている。


日経情報ストラテジー」は私が診断士の受験を始めた頃に読み始めた。診断士受験生には是非おススメしたい雑誌だ。
少し余計なことを記す。記事の中で、過去のCI(コーポレート・アイデンティティ)を否定する論調が見られるが、それは一面的に過ぎる。その時「本物のCI」に取り組んできた企業は、まさにインターナル・ブランディングにも取り組んできた企業だ。ただ、そう名付けられていなかっただけで。

新しい手法や概念は確かに面白いし大事だろう。しかし、それを強調するために、ことさらに過去の手法を否定してかかる書き方は、感心できない。
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1. JT 日本たばこ産業に関する記事をご紹介しています。  [ 禁煙・節煙テクニカルレポート ]   2006年07月06日 22:16
SmoCar(スモーカー)はたばこを吸われる方の喫煙マナー向上と、公共場所における分煙
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