2006年05月01日

実践的人間関係学「サイグラム」基礎講座

4月30日(日)の午後は、実践的人間関係学「サイグラム」の基礎講座。
12時から16時半までだったので、ちょっとしたセミナーと言うよりは長めの本格的講座だ。

中小企業診断士仲間の強い「押し」と酔った勢いで参加することになった今回の講座。参加するからには貪欲に、学習に努めた。


まず理論的基礎としての心理学を学ぶ。
ひとのこころを「知・情・意」に分ける考え方。私は詳しくないが、デカルトの時代からそう考えられており、また脳の働きとも関連性のある理論のようだ。
また、ユングが「外向型・内向型」に性格を類型化した分析心理学
この2つの考え方を折衷したものがサイグラムの理論的基礎であるとのことだ。

そしてこれに身体リズムは23日、感情リズムは28日、知性リズムは33日の周期をもつという「バイオリズム」の考え方を合わせることによって、実践的人間関係学として完成したのだそうだ。


講座では、この理論が統計的にも正しいと説明されたが、私はこの部分はあまり関係ないと思って聞いていた。適合の判断は、それを構成する部分の割合とは関係なく決まるものだと思うし、データの取り方を詳細に開示しない段階で、私は統計的な判断はしない。

さらに言えば、統計的な正しさと、役に立つ手法・方法論かはあまり関係ないのだと思う。以下、今回の講座で有用だと思った点について記す。

第一に、コミュニケーション能力を向上するために大事なことを知ることだ。サイグラムの講座でなくとも同じようなことを教えるだろうが、手法を教わる前に、こうした本質的なことを学ぶことに意義がある。

第二に、自分と思考形態が違う人が、半分よりも多くいると認識することだ。そのつもりでコミュニケーションを取ろうとすれば、相手に十分に配慮することができる。

第三に、前の項目とも関係するが、コミュニケーション上の「ストレス」を軽減できることだ。私の経験上、ストレスは、「(自分ではどうしようもないことを、)どうにかできるはずなのに、できない」という状況の際に高まる。これに対し、「通じなくても当たり前、自分とはタイプが違うのだから」と、一種の「あきらめ」を持つことは大事だと思う。

第四に、「ジョハリの窓」として機能しうるということだ。いわゆる「性格分析レポート」のようなものが出力される訳だが、それが当たっているかどうかは問題ではなく、それを素材に自分が認識している自己と、他者が認識している自己について、話し合いを持つことができる。


生年月日の情報によって相手のタイプを判別できるという「サイグラム」だが、その先入観によってかえってコミュニケーションを限定的にしてしまう危険や、実際の場面で誕生日情報を収集することの困難さを考えると、その領域にまで踏み込んでいく必要性を私はあまり感じない。
ここまでの学習で、今回は大きな学びを得た、と講座には満足した。とても面白かったと思う。


最後に参考として、私はよく知らないが、サイグラムを提唱しているという人の名前を紹介しておく。
吉井伯榮氏(日本産業心理コンサルティング協会会長)
平 秀信氏(amazon:著作の一覧

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この記事へのコメント
1. Posted by さくら   2006年05月08日 11:56
セミナーに「強く」お誘いしてしまった犯人(?)のさくらです。
ブッシーさんのこのセミナーについてのブログを読むのを楽しみにしていました。
ブッシーさんのM的突っ込みはさすがに厳しい。(本質はAなのにー)

でもね、実際の場面での生年月日の入手は、会社の代表ならば『四季報』、就職希望者には『履歴書』で、比較的簡単に入手できると思うのよね。
「先入観によってかえってコミュニケーションを限定的にしてしまう危険」
については、考えたことなかったです。なるほど、これは自分でも克服しないといけないですね。
2. Posted by ブッシー大統領   2006年05月08日 16:30
功労者のご登場。さくらさん、どうもありがとうございます。

上場企業クラスの代表者を相手にする場面では、確かに把握可能かも知れませんね。じゃあ、役員、部長となったときにどうするか。興信所を使うまで行くと行き過ぎですよね。

コミュニケーションを制約してしまうリスクは、かなり注意を払う必要があると思いますよ。

では、今後の益々のご活躍を。
3. Posted by さくら2号   2006年06月15日 14:56
5 すばらしい分析です!

私もサイグラムの理論的基礎と提唱しているところと、統計としての結論は、どうしても結びつきませんでした。

説得力を増すための手法なのでしょう。

コミュニケーションに関しても公共の場での「論理力」とのバランスが図られていなく、建設的な人間関係が構築できていないと思いました。
家族関係に置いても先入観を持って接してしまうことの危険性を感じました。

また、サイグラムにおける利点もよく分析されていてすばらしいです。
4. Posted by ブッシー大統領   2006年06月16日 04:57
さくら2号さん、コメントありがとうございます。
お褒めのお言葉を頂き、かえって恥ずかしいです。
「批判的」というか「クリティカル」というか、そういう態度を忘れずに、受容していきたいと思っているものです。
5. Posted by 妹尾榮聖   2007年02月13日 22:31
5 サイグラムで検索していて、初めて訪れました。

素晴らしい分析力だと感心しました。

勉強になりました。
ありがとうございました。

6. Posted by ブッシー大統領   2007年02月25日 20:36
妹尾榮聖様

コメントをどうもありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。
#コメントを返すのが遅くてすみません。
7. Posted by 坂本芳雄   2009年12月18日 09:13
サイグラムで検索
ヒットしました。
早稲田OBです。
詳しくサイグラムのことを
教えて頂けたら幸いです。
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