2007年07月21日

予防原則あるいは予防的アプローチについて

今日はちょっと硬めの話題を。

環境関係の仕事をしていると「予防原則(Precautionary Principle)」とか「予防的アプローチ(Precautionary Approach )」という言葉に出会うことが多い。だが、この言葉、意外と分かりにくい。「予防的アプローチ」は、「予防的方策」とか「予防的取組」とも訳されている。少し異なるが「予防的措置」という用語もある。

もの凄く大雑把に例示して言えば、例えば以下のようなことになる。
「二酸化炭素の排出が地球温暖化に与える影響の因果関係が科学的に完全に解明されていないからと言って、それを理由に排出削減の取組みを遅らせるのは止めようよ。だって、やっぱり二酸化炭素が原因だね、と科学的に分かったときにはもう手遅れかもしれないじゃないか。」


この概念が世界に提唱されたのは、1992年の地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)での「環境と開発に関するリオ宣言」の第15原則である。
環境を保護するため,予防的方策(Precautionary Approach)は,各国により,その能力に応じて広く適用されなければならない。深刻な,あるいは不可逆的な被害のおそれがある場合には,完全な科学的確実性の欠如が,環境悪化を防止するための費用対効果の大きい対策を延期する理由として使われてはならない。


国連のアナン事務総長(当時)が推し進めた「グローバル・コンパクト」の原則7にもこれが明確に織り込まれている。
環境問題の予防的なアプローチを支持する。


また「GRI サステナビリティ リポーティング ガイドライン2002」(PDF)にも含まれている(統括的方針およびマネジメントシステム 3.13)。
組織が予防的アプローチまたは予防原則を採用しているのか、また、採用している場合はその方法の説明。


地球環境問題は、「地球」や「環境」というあいまいな客体表現のために危機感を持ちにくいが、「人類絶滅危機問題」だと思う。
不都合な真実」ではないが、「ライフスタイルを変えよう」。


#リオ宣言の原文(仮訳)を探すのに苦労しました。
#この国の情報提供システムはどうなっているのでしょう・・・。
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